猫は首根っこを掴むと大人しくなるといわれていますが、その理由はなぜでしょうか?愛猫の首回りを掴む際に注意すべきポイントとともに解説します。
首根っこを掴むと猫が大人しくなる理由は?
猫が首根っこを掴まれると大人しくなる理由として考えられるのが、
「PIBI(Pinch Induced Behavioral Inhibition):ピビ」と呼ばれる行動抑制によるものです。
※PIBIは日本語で「つまみ誘発性行動抑制」と呼ばれたりします。
母猫が子猫を咥えて運んでいる姿を思い出してみてください。そのとき、子猫は脱力状態で母猫に身を任せていますよね?これこそがPIBIによる行動抑制の一例だと考えられています。
PIBIに関する研究は2007年に実施されており、それによると、成猫の首根っこにクリップを取り付けて様子を観察した結果、対象となった猫(31匹)の大半が鎮静状態(受け身状態)になりました。
この際、猫の恐怖度を示す心拍数や呼吸数の増加、瞳孔の拡張などがみられなかったことから、恐怖心からくる行動抑制状態ではないと証明されています。
PIBIの効果は個体によって異なるため一概にはいえませんが、さきの実験結果から、首根っこを掴むという行為は猫を鎮静状態にし、かつ余計な苦痛をあたえない方法として有効なのではないかと考えられています。
ただし、「猫の首根っこを掴む」という行為自体が良くないとする意見もあり、現在でも賛否が分かれている状態です。
成猫でも首根っこを掴んで持ち上げていいの?
成猫は子猫と違って体重があるため、首根っこを掴んで持ち上げてしまうと、首回りに負担がかかってしまいます。
そのため、成猫に関しては首根っこを掴んで持ち上げるという行為はおすすめできません。
猫は首根っこを掴まれることでリラックス状態(鎮静状態)となりますが、猫の首根っこを掴んで無理に持ち上げたり、ゆすぶったりする行為は、「スクラッフィング(scruffing)」と呼ばれ全くの別物です。
※スクラッフィングは猫だけでなくほかの動物に対しても用いられる用語です。
猫の首回りには重要な神経や血管が多く点在しています。スクラッフィングは、それらを傷つける恐れがあるため、PIBIとスクラッフィングを勘違いしないよう注意が必要です。
いうまでもありませんが、スクラッフィングは成猫だけでなく子猫に対しても決してやってはいけません。ケガの危険性だけでなく虐待につながる行為ともいえるので、愛猫を大切に思うのであれば自身の行動がスクラッフィングになっていないか、いま一度確認してみてください。
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UCHINOCO <うちの子>2022年12月11日
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