みなさんが学校で習ったことは、本当に正しかったのでしょうか?
オトナになるまでなんとなく思い込んでいたけれど、真実はまったく違った!
ということは意外と多いものです。
「ナポレオンは背が低い」が正しくなかったワケ」(2021年1月10日配信)に続いて、
イギリスでベストセラーになっている『頭のいい人のセンスが身につく 世界の教養大全』より、
動物にまつわる意外な真実をお届けします。
■見た目が似ているアナグマとは別の動物
Q地球上でもっともどう猛な哺乳類は?
サバンナやジャングルで絶対に出会いたくないヤツは多い。
しかし、それはトラでもカバでもない。
アメリカの科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』(日本版は『日経サイエンス』)が
2009年に発表したところによると、世界でもっとも恐ろしい陸生動物は、「ラーテル」
(学名メリヴォラカペンシス=Mellivora capensis、別名ミツアナグマ)だ。
『ギネスブック』も、ラーテルを「世界一恐れを知らない動物」として認定している。
ラーテルは、アフリカ大陸とアジア大陸の草原や砂漠に生息し、ツチブタのような
他の生き物が掘った巣穴に棲みつく。見た目が似ているアナグマとは別の動物である。
ラーテルは、ハチミツが大好物。ラーテルもアナグマも、肉食獣の最大グループであるイタチ科に属している。
イタチ科の仲間には、フェレットやヨーロッパケナガイタチ(ポールキャット)やミンクやクズリなどがいるが、
この中でハチミツを食べるのは、ラーテルだけだ。
ちなみに、学名の「メリヴォラ」は「ハチミツを食う者」という意味である。
ラーテルは大きな鋭い鉤爪(かぎづめ)でシロアリ塚を荒らし回り、鶏舎の金網を引き裂き、
ハチの巣を粉々に破壊する。
そのラーテルをハチの巣へと導く役割を果たすのが、ノドグロミツオシエ(英名ハニーガイド=honeyguide)という鳥。
ハチの巣を見つけると鳴き声で知らせ、ラーテルが巣を壊してハチミツを食べたあとのおこぼれ(巣の残骸やハチの幼虫)をさらう。
ラーテルはなぜこれほど無敵なのか。その理由はたるんだ外皮にある。
背後から捕まえられても、皮膚の内側で体をねじって反撃できるのだ。
天敵はほとんど存在せず、挑発されれば人間を含むほぼすべての動物に襲いかかる。
これまでに、ラーテルが攻撃したり殺したりしたのは、ハイエナ、ライオン、トラ、ゾウガメ、ヤマアラシ、ワニ、クマなど。
好物の毒ヘビにいたっては、口にくわえると、ものの15分でガツガツとたいらげる。
さらに幼いラーテルまでも殺して食べるので、子どもが成獣になるまで生き残るのはわずかに半数だという。
■相手の急所を狙って攻撃するラーテルも
伝説によると、相手の急所を狙って攻撃するラーテルもいるそうだ。このことが最初に報告されたのは、1947年。
おとなのバッファローにラーテルが襲いかかり、その睾丸(こうがん)を食いちぎるところが目撃されたらしい。
さらに、ヌーやウォーターバックやクーズーやシマウマや人間までもが、ラーテルに去勢されたといわれている。
2009年放送の『トップ・ギア』(イギリスBBC の自動車番組)のボツワナ特集で、ジェレミー・クラークソンはこう語った。
「ラーテルが人間を殺すのは、人肉を食べるためじゃないんだな。やつらは人間の睾丸を引きちぎるんだよ」
パキスタンでは、ラーテルは「ビジ」と呼ばれ、死体を墓から持ち去る動物といわれている。
この類いの身の毛もよだつ恐ろしい評判が広まっているためか、イラク戦争中、現地に駐屯していたイギリス軍部隊が、
地元民を恐怖に陥れようと、おびただしい数の「クマに似た人喰くい動物」を町に放ったと非難された。
結局、その動物はラーテルだったと判明したが、町に殺到したのは湿地帯に洪水が起きたからだった。
※以下、全文はソースで。
https://toyokeizai.net/articles/-/402725?display=b
近縁種でさらに凶悪なのがいたとは…